GAZEBO
環状7号とか8号とか、あるいは甲州街道だとか、なんでもいいのだけれども、もっぱら通過交通だけのために整備された街並みというのは日本中どこも似たり寄ったりだと思うのだ。〈住む〉ということとは違う、もうひとつ別の原則によって街が構成されているんじゃないかとすら思えるほどである。
〈住む〉側から見れば、それ以外の〈住む〉こととは無縁な場所は前面の幅の広い道路だとか、街並みだとかを含めた、今、“都市的”と呼んだ、そっちの側に属する場所であるように見える。この建築でいえば、下の階の店舗も貸事務所も貸アパートも、すべては都市的な原則によって組み立てられたものの一部であり、そうしたものの上に〈住む〉場所が乗っている。比喩的にいえば、地形みたいなものである。都市という地形の上に〈住む〉場所が乗っているという言い方もできる。