下泉地区センター
地区センターと地域ケアプラザの複合施設である。地区センターは、地域住民のためのコミュニティ施設で、図書コーナー・プレイルーム・体育室・料理室・会議室などをもち、地域ケアプラザは、在宅で介護を必要とする高齢者に対するデイサービス(食事や入浴のサービス等)を提供し、また地域の福祉・保健活動の拠点の場となる福祉施設である。
中庭という外部空間をその敷地の中心に設け、内部空間は周辺にではなくその中庭に対し開放的にすることを決定していった。その中庭は単なる庭としてではなく両施設の緩衝帯あるいは交流の場としての空間である。その上部にルーバーを張り巡らすことにより、視覚的にも内部化された環境をつくり出し、また冬はスリットから日差しを取り入れ、夏は直射日光を遮る環境装置としての役目をもたせた。ふたつの施設の間にこうした空間を設けることにより、別の機能をもった施設が密接し一体の建物として認識されていくことを期待している。
(新建築1997.04より抜粋)