横浜市営住宅(三ツ境ハイツ)
民間の木造住宅群の中に埋め込まれるような計画である。だから、できるだけ低層に押さえたいと思った。それと、開発申請をしないで計画を進めたいということもあって、従来までの道路の位置の変更、宅地の形状の変更は一切しない。それまでの道路、宅地がそのまま残るわけである。でも、それもこうした住宅地では重要なことだと思った。できるだけ過去の記憶を残すように計画したい。
既存の道路に囲まれた宅地形状の影響もあって、多くは10世帯を単位にするような、囲み型の計画になった。10世帯で一つの庭を共有する。共有された庭にはワゴン車が一台入れるほどのスペースが用意されている。将来、住民に対する介護や看護が必要になった時に、そのためのサービス車がここに寄り付くことができるように考えたからである。あるいは、民間のデリバリーサービス車もこの車寄せを利用する。単身もしくは二人住まいの高齢者の多くが接地階に住むことを想定しているので、この中庭に設けられた車寄せはかなり有効に働くと思う。
(GA JAPAN48)
施工
相鉄・第一建設共同企業体
中和田・高尾建設共同企業体
関・司建設共同企業体