公立はこだて未来大学 研究棟
「公立はこだて未来大学」の増築計画である。すべての活動がオープンでフレキシブルな大空間で行われる既存本部棟校舎に対し、研究棟は研究活動により特化された、小さな空間が集合した施設である。「情報アーキテクチャ学科」「複雑系学科」で構成されるこの大学では、多岐に渡る研究分野の垣根を超えて研究グループ=クラスターが結成され、またそのクラスターは数年毎に再編成される。こういったクラスターの更新に対応出来るよう、各室は細長い実験室を挟んで向かい合い配置されている。
??研究棟の特徴は、フラットバーを菱形のトラス状に組んだフレームに三角形のキャストガラスやスチールパネルをはめ込んだ「格子壁」である。「格子壁」は建物全体を支える構造体であると同時に、各部屋相互の関係を調整する自由な開口率を持った間仕切り壁である。また格子壁には研究上必要な実験機器やプレゼンテーションボードを自由に取りつけることもでき、家具のような役割ももっている。
??「格子壁」が細かいモジュールにより構成されていること、スチールパネルの配置が緩やかなグラデーションのようにレイアウトされていることによって、研究棟のファサードは、建物のスケールや部屋の機能から独立した、自由な表現を獲得している。
施工
加藤組土建・清水建設・石井組・小鹿組・中野組 JV
備考
総合設備計画:函館建築設計監理事業協同組合、島田電気設計事務所、おおつか都市環境設計室、高輪建築事務所、
札幌市立高等専門学校、ワンダー・アーキ、廣村デザイン事務所、永田音響、ディー・ピー・インターナショナル