横浜市立大学 YCU スクエア
横浜市立大学金沢八景キャンパスの付属校舎の建替えである。
教室、事務室、学生利用スペース等からなり、正門近くに位置することから、キャンパス全体の新しい顔になることも求められた。
私たちは、建築の形やデザインでシンボル性をつくるのではなく、学生や教員の活動そのものがシンボルになるような建築を提案した。
3つの要素からこの建築はできている。
(1)スチューデントオフィス
正門、広場に面して「スチューデントオフィス」と呼ぶ小さな部屋を積層させた。
学生や教員が自由に使える部屋で、様々な社会的活動に利用することができる。
そしてその様子が、広場や正門から見え、キャンパス全体のシンボルとなる。
(2)プレゼンテーションギャラリー
中央には「プレゼンテーションギャラリー」と呼ぶ大きな吹抜け空間がある。
様々な人や情報が集まる場所で、イベントに活用したり、地域の人が利用したり、コミュニケーションの中心的な場所になる。
また、この吹抜け空間を中心に、自然エネルギーを積極的に利用した省エネルギー計画を図っている。
(3)教室・事務棟
建物の後方には、教室や事務室を集約している。
この部分は堅固なRC造とし、建物全体の水平力を負担する。
それにより、鉄骨造である「プレゼンテーションギャラリー」と「スチューデントオフィス」を繊細で軽やかなデザインにしている。
これら要素が全く新しい学習環境を作り出し、そこでの活動とともにキャンパス全体のシンボルになることを期待している。
備考
家具:藤森泰司アトリエ
カーペット:安東陽子デザイン
サイン:廣村デザイン事務所
照明:岡安泉照明設計事務所
撮影:大野繁